温度管理とはどのようなものかだいたいのイメージはおそらく誰でもできるでしょうが、例えば要冷蔵の食品などにおいて、決められた温度範囲で保管管理することがこれに当てはまります。これは特別に難しいことでも何でもなく、一般家庭において食品を冷蔵庫で保管することはまさしく温度管理そのものであり、その意味ではどんな人であっても無関係ではいられないでしょう。ただ、一般家庭ではそれで十分であっても、企業や工場などにおける温度管理はもっと厳密に行われる必要があることがほとんどです。というのも、取引先の企業とか官公庁、あるいは消費者など第三者に対して、間違いなく管理が行われていたということを客観的に示して納得してもらう必要があるからです。
例えば、温度を測定するために用いられた温度計は本当に狂いのないものでしょうか。正しくない温度計を使っていては正しい管理ができないことは明らかです。適切に校正を受けた信用のおける温度計だということを示す必要があるかもしれません。あるいは、その温度で管理すべき対象物が間違いなくそこで管理されているでしょうか。
家庭の話に当てはめて言えば、アイスクリームは冷蔵庫ではなく冷凍庫で保管しなければ困るでしょうし、逆に生で食べるつもりの刺身を冷凍してしまっては残念なことになってしまいます。いくら冷蔵庫が適切に設置されていても、そこに何を入れるかを人間の判断に頼っている場合には、そこで間違いが生じないような対策を講じていることを第三者に示す必要があるかもしれないわけです。