2020年6月から義務化されたHACCPですが、1年間の猶予期間があることと、小規模事業者では、完全な導入が求められていないことから、未着手という方も多いかもしれません。ただし基本的な考え方からすると、導入することが自分のためになると言えます。HACCPの本来の目的は食の安全性を高めることです。ニュースを見ていると食虫毒や異物混入など多くの事故が発生しています。
それらは運が悪かったわけではなく、衛生管理の方法に何らかの落ち度があったのかもしれません。そのリスクを低減する方法として導入することが求められます。HACCPは考え方を導入するだけでも有効性を期待できます。従来から衛生管理を徹底されている人がほとんどですが、その精査をしていないことや記録をしていないというのが現状です。
それはやっていると言う感覚だけで実際には危害が潜んでいる恐れがあります。大事なことは今やっている衛生管理を客観的に評価することです。自分の扱っている製品を理解して、何を最も注意しなければいけないのかを分析します。そしてそれを全数チェックすることで、多くのリスクを低減することが可能です。
実際に実施したことを記録にしておけば、万が一の時も影響を受けるものがどの範囲かを短時間で把握することが可能です。出荷前に確認して、不良の恐れがあるものを止めることができるかもしれません。食中毒はレストランに取って大きなダメージとなります。そうならないためのHACCP導入です。